月刊青島--青島日本人会生活文化会発行
目次

青島の空の下で(56)  
   

 遅れた情報であることを周知の上で紹介したい。先日、デパートの中にある「呂氏」いうチェーンのレストランに入った。20分以上待つくらいの盛況であったが、案内されて席に着くとテーブルには皿と湯呑、箸、ポットが置かれていて その隣にQRコードが入ったA5くらいのタブレットがある。客は自分のスマホでこのQRコードをスキャンすると店のメニューが順番に出てくる。それをチェックし注文が終わると送信する。するとすぐに係りがこのチェーンの「売り」である10分用の砂時計を卓上に持ってきて、実際に次々に時間内に注文の品が届いてくる。もちろん清算もスマホで決済。近い将来、従業員は料理人のほかはロボットになるに違いないとおもった。

 公共バスは乗るとアルミの箱があり、現金、SUICAと同様のバス専用のカードそれにQRカードの読み取りがある。スマホで自分のQRマークをかざすと完了する。もちろんタクシーも現金ではなくスマホ決済だ。これは偽札をつかまされたりお釣りに汚れた紙幣をもらうよりよほど衛生的で歓迎すべきことである。銀行の口座に貯金があれば一切現金は不要という生活が可能である。実際1週間前にバッグに入れた財布が全く使われずにそのままであった。

 バスの代金は1元(=16円)とか2元(32円)で預金から引き落とされ、その案内がメールで届くシステムである。日本でカード決済をするとき いくらでもできるとはいえクレジットカードでは1000円以下では使いにくいだろう。SUICAなどのプリペイドカードはその時点で決済されるので便利であるが、この微信による決済はわずか1元でもスマホをかざすことで手数料など不要で流通し、すぐにメールで決済状況を知らせてくる。

もともとプリぺードカードは発達していた。散髪に行けばそこで300元とか500元とか幾種類かのカードがあってそれを買えば何回分お得だというもの。私など疑り深いものは前に払って途中で夜逃げして消えたり、金を貰っているので手抜きに走ったりするのではないかと手を出さないが、意外と商売の才ある中国人はこれが好きで、2000元のカードを買えばこれこれのプレミアムがあると聞いてスンナリト購入し財布の中に10数枚持っている。

 それにしても高度成長真っ盛りの往時、青島で最強のカードはジャスコカード(金券)であった。春節を控え各社の担当者はビールや茶、白酒などの定番から、簡単に手渡しできるカードが主流になった。しかし奢侈に対する厳しい目が徐々に浸透してきた。これもスマホで新規の方策があるのだろうか。                      (I)

 


 
<< トップへ戻る