在青島日本国総領事館の下坂と申します。
今月は，私のふるさと石川県小松市について紹介します。

　小松市の人口は約10万人です。石川県の南西部に位置し，東京からは飛行機で約1時間，大阪駅からは特急で約2時間30分でアクセスできます。
「石川県小松市の出身です」と同僚や仕事先に自己紹介しても，「どこ？何が有名？」と必ず聞かれます。しかし，たとえ石川県と小松市の場所は知らなくても，みなさんも一度は「小松」という単語を聞いているはずです。なぜなら，小松市は油圧ショベルやブルドーザー等を製造する世界的な建設機械メーカー，株式会社小松製作所の発祥地だからです。小松製作所はアメリカやブラジル等，世界中に生産拠点がありますが，山東省内では済寧市に工場があります。「石川県小松市は小松製作所の発祥地」と覚えてください。

また，小松市は歌舞伎のまちとしても知られています。毎年5月に開催される「日本こども歌舞伎まつり」では、日本各地の子供歌舞伎が招かれ、子ども達は迫真の演技を披露します。さらに、毎年、持ち回りで市内の中学校１校が歌舞伎「勧進帳」を演じています。このように、小松市では，子どもの頃から歌舞伎に親しみ、その伝統文化への理解を深める機会があります。

私は歌舞伎のお手伝いをしたことがありますが，子どもたちの熱心な練習姿勢はもちろん目に焼き付いていますが，市民の団結力もとても印象に残っています。子ども達を支える両親･親戚をはじめ，歌舞伎舞台の組み立てや移動を担う住民の方々等，一丸となって歌舞伎を作り上げていく地域の絆は，小松市の誇りです。

個人的にお勧めする観光スポットは那谷寺（なたでら）です。江戸時代の俳人・松尾芭蕉は那谷寺を訪れた際に，「石山の石より白し秋の風」の名句を残しています。フランスの「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で1つ星の認定を受けたおり，国の指定名勝で山水画のような「奇岩遊仙境」をはじめ、多くの重要文化財があります。秋の紅葉の名所として知られており，市内外から多くの観光客が訪れます。

産業，伝統文化，観光スポットを紹介してきましたが，最後にスポーツを紹介します。小松市にある木場潟カヌー競技場は，日本代表チームが強化トレーニング合宿を行う日本有数のカヌー競技場で、国際大会も開かれています。2020年の東京オリンピック･パラリンピックではカヌーの事前合宿地として，ニュージーランド，ノルウェー，スロベニア，イギリス，ブラジル，カナダ，フランス，モザンビークの代表チームの受入が決まっています（2019年8月時点）。オリンピック･パラリンピックでは，ぜひカヌーに注目してください。
お読みいただきありがとうございました。