春節に入る少し前,「店が閉まるし不便だな,1週間どうやって退屈しのぎしよう」と考えていた頃が今となっては懐かしくなります。
新型コロナウイルスの急拡大に伴う武漢の突然の閉鎖から,状況はあっという間に緊迫,ビジネス,学校,商店,レストランが全て閉まり,街から人影が消え,どこに行くにもマスク着用,体温検査される毎日が始まりました。
緊迫の日々が始まってからは,領事という立場から,中国・山東省が次々に打ち出す施策等を総領事館HPに掲載・本国からの指示に基づき,在留邦人の皆様への情報発信,毎日の業務実施を行い,大量に飛び交う関連情報を見ているだけであっという間に時間が過ぎ去っていきました。もちろん,何をするにも根底にある不安は消えません。皆様もそうだと思いますが,この異常な状況下では,普段の何倍も疲れます。1日が終わりソファーに腰掛けるとそのまま眠ってしまうことが何度もありました。
普段ですと,日本人学校の卒業式が行われる頃ですが,特殊な状況下での巣立ちとなりました。しかしながら,少数で行われた卒業式はたいへん感動的であった旨伺っております。先生方,関係者の皆様本当にお疲れ様でした。
異常事態突入からおよそ2ヶ月,今や新型コロナウイルスは世界に拡散し,「パンデミック」となり,日本の状況も日々心配になります。とにかく早く本事態が収束し,平和な日常が取り戻されることを心から祈ります。
さて,個人的な事ですが,4月初に転勤することが決まり,青島を離れることになりました。3年余りにわたって勤務しましたが,全体的には皆様のおかげで充実した仕事,生活を送ることができました。心より御礼申し上げます。
毎月「月刊青島」の編集後記を執筆,それは青島での私の活動記録となっており,今後本WEBサイトを訪れ,バックナンバーを時々振り返ってみたいと思います。
日本人会では,「生活文化会」に属し,新年会や納涼祭,時には社会貢献活動のため所属メンバーと一緒に議論,準備したこと,理事会でも様々な方と知り合いとなり,有意義な話を多く聞けたこと等思い出は尽きません。
碧い海と活気に溢れた街,青島は素晴らしい都市であり,山東省の他の街もそれぞれ個性があり,その中でも人情味溢れる田舎町はたいへん魅力がありました。
およそ1億2600万人の日本人口,奇しきご縁で,この時代に青島でお会いできたこと,素晴らしい出会いに感謝申し上げます。
それでは,皆様の益々の御健勝と御活躍をお祈りし,ご挨拶としたいと思います。来月号からは新任編集長が執筆します。
引き続き「月刊青島」を御愛読いただきたく,よろしくお願いいたします。 |