月刊青島--青島日本人会生活文化会発行
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近況報告

 

青島日本人会会長 能勢稔彦

 

  中国におられる方も、また日本におられる方も心落ち着かない日々をお過ごしのことかと思います。将来、何かの折に振り返ることがあるかと思い、ここしばらくのことを日記風に記してみました。

・1月春節前、新型コロナウィルスの影響で、やや食事などに不便さがあったがそれでもまだ何とか普段の生活レベルを維持出来ていた。

・春節に入り、初三(27日)辺りから、ホテルのビュッフェ、レストラン閉鎖の通知が出され、またジムなどの使用が禁止となり、急に日常生活に窮屈感が出始めた。このあたりを境に、突然日常生活が失われる怖さを体験。また、普段、問題なく生活出来ている環境がどれほど幸せなことか再認識。
同時に家族、友人、同僚の繋がりの有難さを再実感。いろんな情報を皆と共有出来ていることは、精神的安心につながっていたと思う。
また、この間、井川原総領事とは何度も電話にて情報・意見交換をさせて頂きました。

・春節期間中、外国人が感染した場合の受入れ指定病院の情報は共有されていましたが、外国人専用の病院が無い状況下、どのような環境で隔離されるのか、どのような治療が施されるのか等の情報共有が無く、また武漢などの一般病棟の悲惨な状況ばかりが報道され、頭にインプットされている状態だったため、それに重ね合わせ、“発病したらどうしよう“という恐怖心に悩まされる日々を過ごした。
ただ、体力だけはキープしなきゃ―という思いから、毎日ホテルから海洋公園まで往復一時間のジョギングは欠かさなかった。道沿いですれ違う中国人は15人程度だったが、ほぼ100%皆マスク着用しており、マスクしてない私を見ると逆に避けてくれる感じ。

・春節も青島で無事乗り切り、2/10から営業開始するも、会社の指示で一時帰国することが決定、会社スタッフ、引き続き駐在される日本人駐在員の事を考えると、後ろ髪を引かれる思いで帰国の途についた。

・2/13に一時帰国、その時の驚きは、成田空港、連結する京成線に乗車する日本人でマスクを着用している人は10-20%程度と、現場から帰国した人からすると驚くべき着用率の低さであった。日本政府、日本人の感染病に関するRISK管理の甘さを再認識。

・2週間のホテル滞在が終了する頃(2/29)には、上記懸念が現実の問題となり、感染者が増加、青島よりも日本が感染RISK高いと思える状況になった。
・ホテル滞在中の食事は、極力人との接触をさけるために2食(朝・夜)とした。
外食店での食事、特に別客と距離の近い場所での食事は落ち着かず、早々に食事を済ませ 店を出るような状況だった。またレストランによっては、客はマスクして来店しているにも 関わらず、店員がマスクをせず接客している状況も散見された。

・3月頭、日本政府は、学校の休校、在宅勤務の推奨などの対策を講じ、この1-2週間が山場との認識を示した。

・コロナウィルスを通じて、現金を使っての決済は避けられる傾向、またネット介しての自宅でのヨガ教室などが一般化しつつある。自宅での食事が多くなり、外食産業、観光業、インバウンド消費は大きく衰退。

・日本では、マスク以外に、トイレットペーパーなども完売、間違った情報がネットを介して 広まり、石油ショックみたいな状況となっている。

・新型肺炎患者が、退院後に再陽性となったとの報道も出始めており、原因の(再発か再感染か)究明が待たれる。

早期の収束を願い、通常の経済活動に一日も早く戻ることを祈っています。

場所は違えど、皆コロナウィルスと闘っております。こういう時こそ、人のことを敬い、偏見を捨て、
自分が出来ることをやる精神で、皆様と一緒に乗り切って行けたらと思います。

4月に予定していた日本人会総会は、現状延期する予定です。 コロナが早々に収束し、会員の皆様とお会いできる日を楽しみにしております。

 


 

 
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