マスクをして外に出るのがエチケットになった。品薄で騒いでいた頃はどんなマスクでも良しとしてつけていたが、半年も経つと色や形にファッション性を持たせたものが出て、夏は「涼感タイプ」など機能性マスクも登場してきた。もともと日本では花粉が飛ぶ春先にマスクをしている人が多かったが、これが季節を問わず世界各地に拡大することになった。今に、ブランドマスクの開発が盛んになり、世界的なマスクファッションショーが各地で行われ、雑誌に特集「ミス:マスカー(?)」というのも誕生するかもしれない。
先日あるレストランで食事をしていると、料理を運んでくるウエイトレスがスタイルよく手はしなやかで、細く長い指でテーブルに置くと、料理も一層美味しく感じるものであった。ところが、残念なことに、目元涼しく鼻筋が通っているところまではわかるがベージュがかった布が口元をキツネさんのように尖って覆っていて、一体どんな美人だろうかと気をもたせる。相手は知ってかしらずか時折下がってくる布を上にあげるばかりで下に下ろすことはなかった。街を歩く若い娘さんの素顔を見るのは難しくなり、オジさんには悲しい出来事だ。
同じ中近東でもトルコのイスタンブールではイスラムの女性も黒い衣で頭からスッポリ覆ってはいるが、頰被りのようになって顔はそのまま全部出ているのが多い。ドバイになると黒い布で全身覆って目の周りだけが出ている。例えばだが、休日に家族で外出して、たくさんの人混みの中で、同じような体型の女性が何人かいたとして自分の連れ合いを間違いなく当てることができるだろうか。複数の夫人を持っても良いとされる土地柄だけに、こちらの男性諸兄には御夫人のよほど特徴なり、ちょっとした仕草でアレが伴侶だと識別できる優れた能力が備わっているに違いない。表に出ている目の周りがポイントだから、目と鼻梁を強調する化粧が発達したのだろうか。美顔と言うよりは美眼美人と言うことになる。
男性の方といえば、このところのスポーツ界は中東男性同様に髭をつけている選手が増えてきた。中には無精髭に見える選手もいるが、整えるには相当な時間を要するだろう。そのような時間があるならもっと練習してくれと言いたいのもいる。政治家や軍人には見ないが、かつての戦争時代には多く髭を蓄えていた。あのヒットラーの口髭は、どう見てもお笑い系に見えるのだが当時の人には威厳に映ったのであろうか。その髭ズラもマスクで隠すことになり、今後も流行していくのかどうか。どうも男女とも流れは中東ファッションのようである。
標語を1つ作ってみた。「出かけよう!スマホにハンカチ、カギ、マスク」(I) |