月刊青島--青島日本人会生活文化会発行
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青島の空の下で(74)  
   

  あいかわらずのコロナ禍で何かと制約されたなかで生活している。

  先日、第一回のワクチン注射に行ってきた。外人は100元で最初90元。4週間後の2回目が10元とある。接種後30分休憩室で安息し、48時間海鮮料理、アルコール、風呂は避けるようにとのこと。多少は緊張したが少し痒みというのを感じたほかはなにもなかった。「案ずるより産むがやすし」。

  ワクチン注射はインフルエンザで経験しているが、せっかく注射したものの今年のタイプと違うということがよくある。コロナの変異株がでるので、このワクチンも対応できるのかどうか、副作用はないかなどと心配し、接種を見送る人も多く、政府は末端の組織を活用して接種を進めている。例えば学校の教師から保護者に対し、接種の有無をスマホで連絡させるといったぐあい。聞いた話では、接種会場で米とか油の景品を出すところもあるという。接種率の競争で勤務評定があるのだろうか。いずれにしても上から球が飛んでくる。

  ずいぶん前になるが小学校の夏休みを前にしてツベルクリン注射というのがあった。翌日くらいから注射したあたり赤い発心が出て、これが10円玉以上の大きさになると陽性、以下だと陰性で、陽性は結核菌に感染しており、陰性の場合は感染していないのでさらにBCG注射を受けることになる。このBCG注射をすると真夏に赤い発心が出て痒く、無意識に掻くとかさぶたが破れて膿を出し、風呂や水泳で水にぬれるとかさぶたがグニャグニャとなる。私の夏の思い出といえばカサブタに来るハエや蚊を息吹きかけて払った嫌な思いがある。そのツベルクリン検査は2003年から廃止されたらしい。

  中国といえば「一人っ子政策」というくらい定着し、周知の制度であったが2016年より緩和され、ついに今年の5月末になって「3人でも可」と「一人っ子」の看板を下ろすことになった。中国も高齢化で労働人口が賄えなくなる事態が急速に進んでいる。これまで、高い罰金を払って2人目を生んだ夫婦もあったが、子どもをもう一人欲しいと思っている家庭には朗報だ。だが、「ハイ、そうですか」と簡単に産めよ増やせよとなるだろうか。実のところ昨年のコロナによる外出禁止令が出たころに、その影響についていろいろ評論されていたが、私はこれで新生児が相当増えるのではないかと予想した。しかし、人口は伸びていないようで予想は大外れ、養育は選択されなかった。逆に離婚が増えたという話もある。24時間一緒にいるとお互いストレスがたまるのだろう。

  せめて天気でもと期待するが、厚い雲に覆われた日が続きスッキリしない。

 

 


 
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