青島テーブルマーク 濱谷 昌秀
月刊青島をご覧の皆様、はじめまして。青島テーブルマークの濱谷昌秀と申します。今年度より日本人会監事を担う事となり、微力ながら当地で住まう皆様の為に尽力させて頂きますので、どうぞ宜しくお願い致します。
私の生まれは愛知県東海市ですが、幼少期に父の仕事の都合で父の故郷の富山県射水市(旧・新湊市)に移り、大学入学まで過ごしておりました。当地輩出の著名人では、落語家の立川志の輔さん(中学軟式テニス部の先輩で、仏壇店のご子息です)が有名ですが、中国をはじめ世界的な人気漫画『ドラえもん』の著者・藤子不二雄・両先生のご出身がおとなりの高岡市であり、版権の在りかは定かでないものの(汗)、デザート等、中国国内で両先生の作品が描かれた商品を見るにつけ、遠く故郷を思い出しています。
実家は海辺の漁師町で昆布などの塩乾物を扱う商店を営んでおり、祖父が創業しました。祖父は私が高校の時に亡くなりましたが、私の幼少時の初夏の夜には、タモ網とバケツを片手に祖父と一緒に浜辺を歩き、産卵の為に打ち寄せるホタルイカを掬い捕る事ができました。“ホタルイカの身投げ”と言われる故郷の風物詩ですが、波間の幻想的な光が本当に美しかったのを覚えています。
お国自慢にはなりませんが、他都道府県同様に富山にも独特の方言があり、変わった所でいきますと、“だいてやる=(勘定を)払ってあげる”となります。例えば、オジサン同士が居酒屋で“今晩はおわ(俺)がだいてやる!”“いや、おわが!”と勘定を取り合う姿を他県の方が見ると、かなり珍妙な光景かと思います。そんな富山の方言談について、不定期ですが香港花園傍の某バーで、夜な夜な同郷のS山氏と盛り上がっています。
『ふるさとは 遠きにありて思うもの そして悲しくうたうもの』とは詩人・室生犀星の一節ですが、ストレス過多のこのご時世。ときに望郷を憂いつつ、故郷をネタに楽しく飲み、歌い、語り合う時間を可能な限り沢山とることをオススメして、寄稿の〆といたします。ありがとうございました。
●こちら中国でも有名なドラえもん(哆啦A梦)
●浜辺でのホタルイカの”身投げ”の風景(3~5月) |